ブロックの時、ネットから手が出ない前衛プレイヤーのブロックの仕方

【本記事タイトルと同様の質問を頂きました。しかし、質問者様ご本人へ返信してもエラーで返ってきてしまうため、記事公開という形で回答させて頂きます。】
ブロックの時、手がネットから出ずに顧問の先生やコーチ、先輩に怒られたりした経験はありませんか?

身長の低いプレイヤーにとってブロックは苦手なプレーの一つです。
また、身長は普通でもジャンプ力がなくてネットから手が出ない選手もいます。

ジャンプ力をつければ即解決といえますが、ジャンプ力なんてそう簡単にはつきませんよね。

そこで、ここではブロック時に手がネットから出ずに困っているプレイヤーに向けて、ジャンプ力を上げる以外で出来る、身長の低い選手向けのブロック対策・改善方法を提示したいと思います。

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ブロックでネットから手が出ない理由

バレーにおけるブロックは、相手の攻撃をブロックで止めたり(キルブロック)、相手からのスパイクの威力を減殺(弱めて)してレシーブで拾ったりするための重要なプレーです。

レフトやライトと両サイドに移動してブロックをしなければならないセンタープレーヤーは高身長の選手が選ばれやすいわけですが、それはブロックを重視しているからでもあります(もちろんスパイクも)。

ですが、身長の高い選手ばかりではありません。
身長が低い選手なら、中学生・高校生・大学生・ママさん、パパさんバレーと世代に限らず、バレーをする人なら一度は悩んだことがあるのがブロックです。

高校生であれば、男子では2m40cm。
女子では2m20cmもネットの高さがあります。

男子なら身長170cmくらいの子が多いでしょうか。もっと低い子もいますね。
ですが、多くの場合、女性プレーヤーと比較した場合、男子プレーヤーは筋力によってジャンプ力を補うことが出来ます。

対して、女子は筋トレの成果が男子程には出なかったり、見た目を気にして筋トレを避けたいと思う子もいるかと思います。そんな、ネットから手が出ない選手に対して、「もっと跳べ!!」と無理難題を押し付けても意味がありません・・・。

そもそもブロックの時に、ネットから手が出ない理由は2つあります。
身長が足りないかジャンプ力が足りないかです。
身長は運が良ければ遺伝や環境といった要因で伸びるかもしれません。
ですが、全員が全員、高身長になれるわけでもありません。

私も高校時代、もう数センチ伸びてくれたら良いのにと思って悩んだ時期がありました。
が、悩んでも仕方のない問題です。別な言い方をすると、自分の意志ではどうにもできない問題だということです。

身長という問題に対して、ジャンプ力はフォームや筋力トレーニングによって補うことが出来ます。
ただし!
ジャンプ力がつくまでにはかなりの時間がかかりますし、トレーニングを続けるのはしんどいものです。しんどいからってやらなくて良いという意味ではありませんよ!

身長やジャンプ力を変えずに、今の自分自身の身体能力を使ってブロック力を改善する方法って想像つきますか?

ネットから手が出なくてもあえてブロックしに行く

さて、本ページでは3つの対策を掲げたいと思います。

一つ目はネットから手が出ないのを承知の上で、あえてブロックを跳ぶという方法があります。

「何当たり前のことをいってるんだよ!」
「結局、ブロックから手が出ないなら気休めに跳んでいるだけではないのか?」
と批判を頂きそうですが、ブロックに与える意味によっては、ネットから手の出ないブロックにも跳ぶ意味が出てきます。

では、ここでブロックをする意味・目的について考えてみましょう。

キルブロックの目的と効果

一つは相手の攻撃を止めて得点を取りに行くキルブロック。

このメリットは相手の攻撃チャンスの時に自軍へ得点を入れられるという点にあります。
また、ブロックされた選手は精神的にダメージを負います。
その結果、次に打つスパイクコースはブロックを強く意識したコースに打ってくる可能性が高くなります。つまり、ブロックを避けてスパイクをしてくれるので、レシーブしやすくなるということです。

そのため、打つコースが限られますし、レシーブしやすくなり、運が良ければスパイクがアウトしたりといった副次的効果もえられます。

ソフトブロックの目的と効果

ブロックの2つ目の目的。
それは、ブロックの目的が相手のスパイクの威力を弱めることにあります。

スパイクが取れない原因はスピードのあるスパイクに体や目が追いつかないからです。
もし、スピードの遅いスパイクが飛んできたら取れそうだと思いませんか?
もし、自分のいる場所からちょっと離れたところにボールが飛んでいっても、ブロックのワンタッチのお陰でふんわり飛んでいったら取れる気がしませんか?

これがブロックの二つ目の目的であるソフトブロックです。

背の低めの選手が多いチームはキルブロックより後者のソフトブロックを目的としていることの方が多いのではないでしょうか。
ワンタッチをとって切り返す、というのはバレーではよく見る戦術です。

身長の低い選手には、このワンタッチ目的のブロックに注目してほしいのです。
ブロックでワンタッチするためにはある程度ネットから手が出ていることが望ましいのですが、だからと言ってネットから手が出てないとワンタッチできないかというとそうでもありません。

ワンタッチ目的でブロックに跳んでいた元全日本選手がいます。
元全日本女子の竹下佳江選手です。
彼女は身長が低く、良く上からスパイクを打ち込まれていました。
セッターだったため、ブロックの正面にいるのは相手チームのエーススパイカーです。

ですが、たまにブロックで点を取るシーンがありました。
ユーチューブで『竹下佳江 ブロック』と検索して見てみてください。

さて、これが一つ目の答えです。
ブロックで手がネットから出ないならソフトブロックを狙っていこうということです。

ソフトブロックの具体的なやり方

具体的な方法としては、わざとネットとの距離をとって(少し大きめに空間をあけて)ブロックに跳んでください。

その際、手のひらの向きは天井を向くようにします。
ちゃんと指先には力を込めてくださいね。
最初は単に万歳するだけでも良いかもしれません。その方が最高到達点が若干ではありますが、上がります。

こうすることで、相手スパイクをワンタッチしやすくなります。

もっとも、大きなデメリットもあります。
それは一緒に跳ぶブロッカーとの距離が空いてしまう点です。
そうすると、隣のブロッカーとのわずかな隙間を相手スパイカーが狙って打ってくるなんてこともあります。

また、ネットから離れて跳ばなければならないため、吸い込んでしまったり、当然ながらブロックアウトを狙われたりするでしょう。このようなデメリットを覚悟のうえでやってください。

ネットから手が出ないからブロックは諦める

二つ目の方法はネットから手が出ないからブロックには参加しないという方法です。
ブロックを諦めてしまうわけですね。
個人的にはチームへの罪悪感を感じてしまう方法の一つですがチームメイトが了承しているならやっても良いと思います。

その分、前衛でブロックに跳べるのが常に2枚ということになるので、前衛選手への負担が多くなります。

では、このブロックに跳ばない作戦を取り入れたとして、跳ばない選手は何をすればよいのかというと、フェイントを専門に取りに行くレシーバーをやります。

例えば、ライトの選手がネットから手の出ない選手と仮定した場合、その選手は、相手が攻撃する際、数歩コートの中央に寄って、ストレートとクロス、どちらにフェイントをされても取りに行けるようにします。

フェイント処理専門の選手がいるわけですから、後衛の選手はその分、スパイクの処理に集中できます。
もっとも、レフトのインナー側へのフェイントまでライトの選手一人に任せるのは酷ですから、その場合はレフトの前衛か、後衛の選手が取りに行きましょう。

この方法のデメリットは一人ブロックから外れるので、前衛2人で全スパイクに対応していかなければなりません。つまり、体力の消耗が激しくなりますし、
仮に切り返して攻撃をしていく場合であっても、ブロックしてすぐに攻撃しなければならないのでスッキリとスパイクを打ち切ることが難しくなります。

また、ブロックで手の出ない選手がライト以外のポジションに入った場合、最低1回はセッターと一緒に前衛をする場面が来ます。
反対に、セッターの子が手の出ない選手だった場合には、フェイント処理と共に、すぐにセットアップに入れるというメリットもあります。もっとも、1球目のフェイントをセッターが取ってしまったら二段トスにせざるをえないのですが。

セッター以外の子が1本目をとった場合には、攻撃が1枚だけになる可能性があるのと、最悪ブロックも一枚だけしか機能しない可能性も出てきます(ブロックで手が出ないということはスパイクも期待できないという前提です。そういう選手ばかりではないという点はフォローしておきます。また、セッターは基本攻撃に参加しませんし、セッターもまた身長の低い選手がやっていることが多いという前提での話です。)

この方法もデメリットを理解したうえで、チームにも同じようにデメリットを理解してもらって作戦として取り入れてください。

このローテーションだけは1回で必ず切る!!
という集中力がカギになってきますよ。

ネットから手が出るまで頑張る!!

さて、最後の方法ですが、これは一朝一夕でできるものではありません。

それはネットから手が出るまで頑張ってトレーニングする、ということです。

筋力をつけてジャンプ力を上げればネットから腕が出るようになるか、またはネットの少し上くらいまで手が出るようになるかもしれません。

筋肉のつき方やジャンプ力は個人差が大きいので必ずできる!
とはあえて言いません。

あと、ジャンプフォームが悪いと筋トレをしても効果が薄い場合があります。
ジャンプという動作は下半身、上半身といった全身の筋肉や関節を上手く連動させることによって機能してきます。

なので、ジャンプフォームを改善するだけでジャンプ力が上がったなんてこともあり得ます。

ブロックの最高到達点が上がらないのは何故!?

ブロックの最高到達点が上がらないのは何故と思うときがあります。
これだけトレーニングをして、スパイクジャンプの打点も上がったのに、ブロックの打点だけは上がらない・・・。

こういう場合に多くありがちなのが、手の振り子運動と下半身の屈伸運動が連動していないために、本来なら得られるはずのエネルギーをロストしてしまい、力がジャンプ力に反映されていないパターンです。

何度もジャンプフォームの綺麗な選手と自分自身のジャンプフォームを見比べて少しずつ修正していってください。こればかりは地道な努力以外には克服の道がないのです。

ジャンプフォームは無意識のうちに覚えちゃってることが多いと思います。
また、スパイクジャンプのフォームは意識していてもブロックに跳ぶ際のジャンプフォームまでは意識していないということが多いのではないでしょうか。

私は、スパイクフォームは意識していましたが、ブロック時のジャンプフォームは大学2・3年になるまで全く意識してきませんでした。
そのせいで、チームメイトに多くの苦労と迷惑をかけたと思ってます。

長くなってしまいましたが、ブロックの時にネットから手が出ない場合の対処法・対策は以上となります。

ネットから手が出ないからといって諦めないでください。
このような現状を嘆いて凹んでも構いません。

ですが、なるべく早く「凹み」を「やる気」に変えてください。
凹んだらリラックスしたり、ストレスを発散する方法を用意しておくと良いでしょう。
例えばカラオケとか、家でクッションを殴るとか・・・他人に迷惑のかかる行為はやめましょうね!
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